ウサウサずのお部屋   
ユキの死因

H19年9月23日(日)

数日前から挙動不審だったユキ。午後からどんよりモードと連絡が入る。出先から帰ったかーさんは、病院(本来は休診)へ連絡をとりながら、手持ちの十二指腸用漢方薬(おくだ先生処方の緊急用)とプリンペランミックス(きち先生処方の緊急用)を投与。胃腸のツボをマッサージ。多少反応があったので、経過観察にする。22時頃には、少し復調して動き出す。

9月24日(月)

まだまだ復調せず。食欲、通常の1/3。暗く寒いところに行きたがる時は、かなり要注意。ショック症状を起こす前に見られるので。脱水症状が気になる。今日も連休なので、病院は休診。きち先生の指示で、ステラロール0.5mmlとプリンペランミックスを経口投与。

9月25日(火)

前日のステラロールが効いたのか、多少体調高度を上げたユキ。でも完全に復調していないので、朝一番で診察していただく。歯科も含め、これといった異常は見当たらないとの事、プリンペラン入り補液をしていただき、経過観察。
帰宅後の指示は「様子の改善がなけば、16時にプリンペランミックスを投与して、後は8時間ごとに投与」。
22時過ぎに、ゴミ漁りを始めて「やっと いつものユキ」に戻った様子。
呼んだ時の反応も良く、一安心。

9月26日()

夜、ソファに飛び乗ろうとして目測誤り、ずっこけて飛び乗り損ねる。どこか骨折をしていないか気になり様子を見たのですが、大丈夫そう。やれやれ・・・
(この行動が、後で問題になる)

9月27日(木)

朝からユキの様子がおかしい。ウロウロと所在なげに場所移動。
目のキラキラがなく、無表情。体を伸ばして「リラックスポーズ」なのだけれど、目を開けてはいても、周囲を認識していない感じがします。歯ぎしり等のイラ見のサインはないものの、シジミにも人にもかまわれることを嫌がるそぶり。厳重注意で見守りました。

午後になり、いよいよ様子がおかしい。声をかけても無反応。暖めようと移動させると、嫌がって逃げます。そしてリラックスポーズで寝そべる。周囲への認識が無い気がします。

抱いても、声をかけても反応がなくなる。
正確な記憶がとんでいるのですが、確か16時ごろ「絶対変!このままじゃいけない。緊急処理が必要!」と、今までになく嫌な予感。きち先生に連絡。
連絡するうちにも、徐々に反応が鈍くなるのが分かります。
状況を聞いたきち先生は「今の状態では、こちらに来るのも待てない。近くで緊急処置をお願いして!」
幸い、おくだ先生が在院していらしたので、車で15分、駆け込みました。

当初の診断は「食滞」。 お腹が硬くなっているとの事。
酸素を吸わせながら、蝶の再起動をかけるべく色々と手を打ってくださるが、「どうして反応がないのだろう?」と、おくだ先生も首を傾げていらっしゃる。

この時点で、ユキは目を開いてはいても、完全に意識がなかったと思います。
かーさんはすでに、信じたくはないが、覚悟をしました。
「最後までしっかり寄り添っていよう」との思いだけで、ユキの頭を抱き包み、声をかけていました。
亡くなったのは、17時半から18時頃。

おくだ先生は、かなう限りの処置をしてくださっていたので、先生ご自身が「何故だろう?」と思われている様子。「体力がもたなかった」そのコメントに、先生のお力落としを十分に感じました。先生に「剖検(死因解剖)したいので」と伝えて、遺体の保存指示(保冷剤で腹部を冷やす)をいただきました。

帰宅して、きち先生に連絡。剖検を依頼。
「亡くなるとすぐに腸内の発酵が進みますので、死後すぐでないと、ガスが溜まっていても、それが亡くなる前のものか、後のものかは分からないんです。多くは死因が特定できない事が多いのですよ」との言葉に、
「他の臓器に異常はなかったのか、同じ飼い方をしているシジミの事もありますので。また、お腹を冷やして置くように指示されましたので、冷やしてあります」とお話したところ、「それでは、これからいらしてください」と、快く了承してくださいました。
飼い主の思いを受け止めようという思いやりが感じられて、感謝の気持ちでいっぱいです。

22時、病院着。 若い山口先生も、一緒に待っていてくださいました。
きち先生も「なんでかなぁ?」と、今までの経過から疑問に思われている様子。
処置を始めて、ものの20分。
「原因がわかりましたよ!」と、きち先生が飛んでこられる。
「胃破裂でした」 
「開けた時に腹水がたまっていたので、変だとは思ったのですが、上のほうから順に見ていったのです。そうしたら、胃が破裂していました。」 原因が分かって、先生もホッとした顔をされていました。

傷は小さなものだったそうで、腹膜やお腹の皮膚に押さえられていたので、徐々に病状が進んでいったのだろうと。でなければ、もっと急変していたでしょう、というお話でした。
「これはもう、飛行機事故くらいの確率です。ウサギの胃は、ちょっとした事で破裂する事があるのですが、これはもう分からない。死んで開けてみて初めて分かることで、助かった例はありません。
以前聞いた話で、10cmくらいの高さから”ほら、遊んでいらっしゃい”と放したら、ちょっと先に行って倒れて死んでしまったという事がありました。 それくらい、本の些細な事でも起こることです。
もう20年位前ですか、野毛山動物園の獣医さんの報告があるくらいで、めったに出会うことではありません。」とのお話でした。

それ以外の所見は
・胃の中は、どろどろに消化されたきれいな内容物が沢山で、毛球はまったく無かった。
 (どんなウサギさんでも、年齢がいくにつれ、多少の毛球はあるもの。それがまったく無かったというのは、とても嬉しい。野菜食のおかげかしら?)
・腸も盲腸も、内容物が沢山あり、良く活動していた様子。数日前の胃腸活動低下は、完全に回復していた。
・他の臓器も、まったく問題なくきれいだった。
・直接の事故原因は、前日のソファ飛び乗りそこねではないか。(飼い主側)
・多少のメタボリック(内臓脂肪)は、あった。

最後に、胃の内容物を見せてくださったのですが、均一に消化された深緑のもので、ところどころに見られる0.5mmほどのオレンジの物は、干しニンジンでしょう。
これが大量にあったそうで、「最後までおいしいものを沢山食べていたんですね。それだけでも本当に良かった」という言葉に、飼い主として救われた思いがしました。
また他の臓器にまったく問題が無く、毛球が皆無というのも、飼い方が間違ってはいなかったという事で、飼い主にとってはどれだけ救いになったことか。
きち先生、山口先生、かーさん、ママちんと、4人の間に流れていた緊張感が、一挙に穏やかな空気になったことが、とても印象に残っています。
飼い主が、大事なペットの死を納得できるかどうか。心の傷になるかどうか。こうした事は、獣医さんよって救われる事も多いのだと、つくづく実感しました。

今回の事故を防ぐ手立ては、あったのでしょうか?
・体調不良で多少体重が落ちた(今回は100gほど)時は、運動機能も落ちているので、体重が元に戻るまでゲージレスト(ゲージ内に行動制限)する。
といったところが、考えられます。

でも、家中ご自由であっても、ゲージ飼いであっても、一瞬の事故は防ぎようがないものです。
又人間のように、どのように不快なのか訴えられないので、MRだのCTだのも難しく、たとえ胃破裂と分かっても、オペで救えたかは極めて低い可能性だと思います。
1週150〜200頭のウサギを診ているきち先生が、飛行機事故くらいの確率で救いようが無かったとおっしゃるなら、これも運命と諦めがつきました。
獣医さんたちにとっても大事な事例になったでしょうし、かーさんもママちんも納得がいきました。
これが大事なことだと、つくづく思います。 (後日、おくだ先生には、ご報告しました)

ウサギに限らず、生き物を飼うことは、毎日が勉強です。
ユキが教えてくれたことは、なんて沢山あるのでしょう。
それらを、この先一生大事にしていくことで、ユキの供養にしたいと願っています。

☆前日の我が家の団欒です。これが元気なユキを撮った、最後の写真になりました。
  ウサギに絡まれるのは、とても幸せな事なのです(^^)